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                         中古艇試乗記 ヤマハ SR−25
     2006年10月16日
神奈川 景山



1990年前後のヤマハのFB付き2基掛けドライブ艇と言うとタマ数が多いこともあり、代表的なものですと、多くの方がPC−26の名前を挙げられると思いますが、その陰に隠れてあまり詳細をご存じ無い方が多いのですが、SR−25と云う艇が存在しています。

この艇は、パシフィッククルーザーと名付けられたPCとちょっと嗜好が変わり、どちらかと言うと居住スペースをユッタリと取り、滞在向きのボートとして仕上げられています。
ですので、ボート遊びの第一の目的が、ボート上でノンビリするような使い方をされる方には、ピッタリのボートだと思います。
今回、知り合いのオーナーさんがSR−25を購入され、静岡県の沼津から横須賀に回航予定だった事もあり、今回は中古艇ドットコムでの取り扱い物件ではありませんでしたが、お手伝いを兼ねて試乗させていただきました。

今回は、滞在向きの使い方をされる方の為に、このSR−25をご紹介させていただきます。

サイズ的には25フィート表記となっていますので、26フィート表記のPC−26と比べると、数値上は1フィート小さいのですが、実艇を見てみますと、横幅も結構あり、キャビンサイズを大きく取っている事もあり、逆にPC−26と同等か大きく見える程です。

キャビン後部のドアもガラスのスライドドアになっており、全体的に開放感がありますし、キャビン横幅も225cm程度と広く、天井の高さも(一番低い部分でも)177cmを確保してあり、相当大柄の人でなければ十分な高さです。




トイレのレイアウトもロアステーションの前部に、半ば強引に配置しているPC−26と違い、キャビン入り口を入り直ぐ右側がトイレスペースとなっています。

この場所に配置する事により、広さも勿論ですが、国産艇のトイレで一番ネックとなっている高さも確保する事が出来ており、PC−26のように男性が小さい方を行う際にも座って行う必要が無く、普通の姿勢で立って行う事が出来ます。(トイレ高さ175cm程度)




実際、移動中に一度使ってみましたが、使い勝手はかなり良いです。

また、このレイアウトのお陰で、トイレ内にきちんと採光の為の窓が付いており、トレイ自体がかなり明るいイメージになっています。

また、多少の改造が必要ですが、温水器を積めば、トイレ内をシャワールームとして使う事も出来そうです。(はたして温水器を積むスペースがあるかが問題ですね)

内装が一部、布で出来ている部分を濡れても良いようにモノに取り替えて、排水の為の穴とビルジポンプを付ければ、実現しそうな感じです。(水が別の場所に漏れないように各部のコーキングなども必要にはなると思いますが、、、)

室内のレイアウトは、キャビン後部の入り口から見ると、右サイドにトイレ、その横(船の向きで言うと前方)に冷蔵庫と小物入れ、それと電子レンジなどを置けるスペースがあり、更にその横がロアステーションとなっています。





左サイドには対面式のシートとテーブルがレイアウトされており、家族での使用などにはピッタリの形だと思います。


このシートは、対面式の他に向きを変える事が出来るそうですので、奔っている際に中に居るようでしたら、シートの向きを全て前に向けた方が、船酔いもし難くない良いかもしれません。







ただし、滞在型の船としては一つ残念な事にVバースが意外と狭く、大人が寝るにはちょっと長さが足りないと言う事です。


これは、購入された方がDIYで、スペースを付け足すしか無いと思いますし、また配置からしても可能だと思います。

Vバースの部分に30〜40cm程度の取り外し可能の板を付け足せば、大人でも足を伸ばして寝る事が可能になります。


Vバースサイズ: 奥行き167cm×幅(最大)220cm




FBシートは、PC−26のようにベンチシートでは無く、単座タイプになっていますので、完全に2人掛けです。(PCの場合、狭いですが3人は座る事が出来ます。)


スペース的には、結構余裕がありますので、ここをベンチシートに替えれば、PCと同様に3人掛けでも大丈夫そうです。








アフターデッキは、キャビンスペースを広く取っている事もあり、PC−26に比べるとちょっと小さめです。

小さいと云っても横幅233cm×長さ163cm程度はありますので、通常の使用では文句の無い広さはあります。

今回の試乗艇は、デッキ周りに清水シャワーとデッキウオッシャー、手洗い用の蛇口が装備されており、使い勝手は良さそうです。



エンジンは、2基掛けのガソリンとディーゼルがあります。

ディーゼルエンジンの場合、2基掛けはボルボのAD31の2基ですが、今回試乗に使わせていただいた個体は、ガソリン2基からディーゼル一基掛けに変更されており、ボルボAD41が1基搭載されていました。

走行スピードですが、AD31の二機掛けモデルの場合、PC−26と同等だと思いますので、MAXで30ノット弱、エンジンの年式等を考えるとカタログデーターの数値は出ないと思いますので、大体27〜28ノット前後が(皆さんが中古で購入された場合の)MAXスピードになると思われます。


今回の試乗艇は、前オーナーさんが車屋さんで、ご自分のところでオーバーホールをされたばかりとの事でしたので、この年式のディーゼル艇に良く見られる黒煙も皆無でしたし、ボルボAD41 1基掛けでもMAXで30ノット近く出ましたので、22〜23ノット程度で余裕を持って巡航が可能でした。

ただ、静止状態からの立ち上がりの悪さから考えると、高速巡航向きのペラが付いていたようですので、もうちょっとトルクの出るペラに変える事により、最高速は落ちますが、低速時からの加速は良くなると思います。(ペラも何枚か、前オーナーさんからいただきました。)

回航日当日は、かなり海の状態が良く、何の苦労もせずに横須賀まで奔り切ってしまいました。
途中、少々回り道になりますが、伊東サンライズマリーナさんに寄航し、昼食を取りましたが、朝9時前に出航し、ノンビリと奔って午後3時半くらいには横須賀に入港しておりました。


ただ、今回は前述のように海の状態が良かった為、何の苦労もしませんでしたが、それでもスピードを上げていくと、かなり船底を叩く音が大きくなって来ていましたので、波が出てくるとそれ程スピードを上げて奔れる船では無いと思います。

実際、巡航中にしばらくロアステーションに座っていましたが、決して乗り心地は良くありませんでした。

まあ、もともとが奔りに特化した艇では無く、家族などでの使用を前提としたファミリークルーザーですので、文句は言えないと思いますし、逆に考えると一般の方が家族でクルージング出来るような海の状態の時は、不満の無い奔りだと思います。

今回の艇は年式から考えても、エンジンの状態はかなり良く、ある意味当たりの船だと思います。
ただ、出航後ドライブのチルトが作動しない事が判明し、後日オーナーさんにお聞きしたところ、このドライブの修理に20〜30万円は掛かるとの事でした。
やはり、この年式のドライブ艇は、要注意ですね。
ただ1つ救いは、購入前より僕の持論である「ディーゼルドライブ艇は購入後に必ずお金が掛かる」と云う事をオーナーさんにしつこくお話していたせいか、「あ〜あ、やっぱり」と云う感じでした。
皆さんも、10年以上経過したドライブ艇を購入される際には、ある程度メンテナンスにお金を使うつもりで購入して下さい。
購入後、エンジンもしくはドライブで何らか問題が見つかった場合、決して5〜10万円では収まりませんので、、、、
そう云う意味でも今回のようなエンジン1基掛けは、メンテナンス代が1基分で済みますのでお勧めです。

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