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米国のオフショアレーシングの世界で伝説となった人物、Don Aronow(ドン アロノウ)。 彼が1963年に設立したボートビルダ−がDONZI(ドンズィ)である。 そして最初に手掛けたボート、16フィートのスポーツボート。 小型パフォーマンスボートにディープVを採用した記念碑的モデルとして、一躍その名が知れ渡った。 そして現在もクラシックシリーズとしてラインナップされ、そのフィロソフィーは受け継がれている。 ■ドン・アロノウの伝説のボート 1960年代、マイアミ〜ナッソー間を走り切るオフショアレースで、バートラム31がディープVハルの有効性を証明し、ぶっちぎりの優勝を収めたレースのすぐその後、同じレースに出場しクラス優勝を果たしたボートがあった。 そのボートはディープV系のハルを自らが設計したというボートだった。 実はこのボートこそ、後に本格的レーシングボートへディープVを応用する可能性を示した最初のモデルとなったのある。 そのボートを設計したのが、Don Aronow(ドン・アロノウ)だ。 その後、米国のオフショアレーシングやハイパフォーマンスボートの世界でさまざまな実績を残し、ある種の伝説となった人物である。
彼は、現在もパフォーマンスボートの名ビルダーといわれているいくつものビルダーを設立した人物であり、彼が設立したビルダーのボートが勝ったオフショアレースの数は、その他のビルダーが勝った数を全て加えても及ばないといわれている。 バートラム・スタイルのディープVがレーシングボートの世界へ普及しなかったのは、彼の存在があったからだという噂が立つほど、彼がレーシングボートに与えた影響は大きかったのである。 まさに、ボートというより、ドン・アロノウという人物そのものが伝説といった感じだ。 そのドン・アロノウが、マイアミ〜ナッソーレースの結果によって設立したビルダーを早々に売り払い、1963年にノースマイアミに新たなビルダ−を設立したのが、今回の伝説のボート「DONZI(ドンズィ)」である。 ちなみにDONZIというネーミングは、ごく親しい友人たちが彼を呼ぶ際のネーミングということだ。 そして、最初に登場させたモデルが16フィートのランナバウト。 美しいスタイリングとその驚異的な走行パフォーマンスで瞬く間にヒットモデルになったボートである。 このモデルこそ、小型パフォーマンスボートにディープVが応用された記念碑的モデルなのである。
そしてDONZI 16は、同社がさまざまな経営上の変還を経た後に復活し、再びラインナップにくわえられ、現在も“16 Classics”という名称販売されているのだ。 まさしく、経営権は移り変わってもドン・アロノウのボートに対するフィロソフィは変わることが無い。 どの経営者も、これまでのDONZIに変わるボートを生み出すのではなく、これまでのDONZIをさらに高いレベルに引き上げるために努力するといった具合だ。
現在のDONZI社は、Zシリーズと呼ばれるエキスプレスクルーザーやZFシリーズのパフォーマンス系のスポーツフィッシャーマンなども生産している。 とはいっても、38フィートクラスのハイパフォーマンスボートをフラッグシップとし、ラインナップの多くはパフォーマンスボート系である。 ドン・アロノウが好んでデザインしてきたタイプであり、彼の血を受け継いだマイアミスタイルのボートたちだ。 伝説は今も尚、受け継がれているようだ。
■現在もラインナップされるクラシックモデル 船体はオリジナルを忠実に再現ししながら、パワーユニットには最新のパフォーマンスが登載されるクラシックシリーズ。 25年前に逗子で乗ったDONZI 16の印象が今でも鮮明に残っている。 初めて味わったディープVの走りだった。 当時は日本にもかなりの16が輸入されていて、最近でも中古艇市場でときどき見ることができる。 確かに、国内でこのクラシックシリーズを購入するというのは、かなり熱狂的なドンズィマニアだと思われるが、アメリカではファンも多い。 それより、会社の経営権が何度となく変わったにもかかわらず、こうやってクラシックシリーズとして40年前のモデルをラインナップしているということ自体、これらのボートがDONZIの象徴であり、伝説のボートである証なのだ。
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