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![]() WTBの採用で優れた風流れ特性を実現した国産センターコンソーラー WTBの採用 2004年モデルとして、従来のUF-21(センターコンソーラー)がマイナーチェンジされ、YF-21CCに名称が変更された。 このUF-21CCは2001年にフィッシング機能とスタイリングを両立させたエントリーフィッシングモデルとしてラインナップに登場したモデル。 最初は2ストロークまたは4ストロークの50馬力がパッケージされ、エントリー層にも買いやすい価格帯を狙ったモデルだった。 それから直ぐにF60のパッケージが発表され、さらに1年後の2002年9月には、一気にF80とF100のパッケージモデルが登場した。 さらに同じ船体を使ってハードトップ仕様としたモデルが、同時に発表され話題を呼んだYF-23の姉妹艇YF-21としてラインナップに加えられていった。 そういった経緯によって、結果的にヤマハのラインナップのなかでも若干落ち着きのないモデルになってしまった感があるのは事実だろう。それがユーザーを困惑させていた部分があったのかも知れない。 発売2年後に再び施されることになった今回のマイナーチェンジは、そういった従来のUF-21CCとYF-21をもう一度しっかり見直し、より商品力の高いモデルとして位置付けようというのが大きな狙いになったといえる。 まず最初に、さまざまなヒアリングやアンケートなどによる市場調査を行ったという。 結果はYF-23でその機能が実証されたWTB(ウェイブスラスターブレード)を導入し、新しいYF-21シリーズとしてラインナップすることだった。 それによって従来のUF-21CCはラインナップからはずされ、YFシリーズといえば「WTBを採用した船外機仕様の小型フィッシングボートシリーズ」ということが明確になり、より認知されやすくなったのではないだろうか。 今回のマイナーチェンジによって新たに採用されたWTBは、従来のハルにWTB部分だけを追加したという形。 最初は大きなものから徐々に削っていき、風流れだけでなく、さまざまな走行条件でも問題のないベストな形状を求めたということ。 実際に上架して船底を見てみると、YF-23イメージがあるだけに、想像していたより小さなものだった。 船体のサイズなどを考えれば当然なのだが、YF-23のWTBに比べるとちょっとしたつまみ出しといった感じだ。 それでも風流れ特性は、YF-23に匹敵する性能を実現している。 ただ、その形状からYF-23のWTBほど「乗り心地」といった部分では、印象に残るような効果は期待できないだろう。 もともと完成度の高いハルだったこともあるが、どちらかといえば風流れ性能を大きく向上させることを狙ったWTBということになる。 いずれにしても、WTBはそのボートに合わせて形状が決められる性格のもの。 市場調査などでも、WTBの評価は高く、大きな購入動機になっているのは事実なのだ。 それだけに21フィートの小型フィッシングボートにも搭載されたということは、エントリーユーザーにとっても気になるところだ。 デジタルメーター化また今回のマイナーチェンジでは、デジタルメーター化も施された。 今後ヤマハの船外機艇は次々にデジタルメーター化されていくと思われるが、F80/F100搭載モデルでは、デジタルタコメーターとデジタルスピードメーターが、F50/F60搭載モデルではデジタコだけが標準で装備される。 基本的にF50/F60モデルにはデジタルスピードメーターが取り付けできないのだが、オプションで73リッターの固定式燃料タンクを装備した場合には取り付けることが可能になる。 デジタルタコメーターには、タコメーター、トリムメーター、アワーメーターが表示されるほか、エンジン警告やオーバーヒート警告、センサー故障時の自己診断機能などが付加されたもの。 またデジタルスピードメーターは、km/h、mph、knotsの3パターンの切替表示ができるスピードメーターに燃料計や燃料残量警告、またバッテリーの電圧異常知らせる警告灯などが付加されたもの。 コンパクトなハウス 設定されるエンジンのバリエーションはF50とF60、それにF80とF100仕様の4モデルになる(ノンパッケージ仕様有り)。 価格はF50パッケージで191万8千円、F100パッケージが255万7千円という価格帯。 また今回、全モデルに対して高出力の船外機が搭載できるように構造を変更している。 つまり従来のUF-21CCでは、F50とF60仕様モデルが最大保証馬力が70馬力の艇体、F80とF100仕様は100馬力保証艇体と2種類の艇体に別れていたが、新しいモデルではF50とF60仕様艇、ノンパッケージ艇のすべてがF100まで搭載できる強度を持った船体になった。 その他には、船体のグラフィックがYFシリーズ共通のものに変更されたのが、主なマイナーチェンジの内容。 ただ今回、実艇が用意されたのはYF-21CCだけだったが、ハードトップ仕様のYF-21も同様のマイナーチェンジを受けて、ニューYF-21としてラインナップされている。 YF-23と同等の風流れ特性 実際の試乗では、走りそのものよりWTBによる風流れ特性を検証して見るといった感じ。 走航性に関しては、以前にレポートを掲載したUF-21CC/F100とそれほど大きく変わるというものではないだろう。 その時のメーカー値で、最高速が31・3ノット。 今回の試乗でも、同様の走行性能は示してくれた。 確かにWTBが付けられたという部分では異なるのだが、普通に走行しているだけでは、かつてのYF-23のようにWTBの効果がはっきりと体感できるほどではない。 前記したように、YF-23のWTBとは、走航性においては若干性格が異なるWTBといってもいいだろう。 しかしWTBによる風流れ特性のレベルは、市場でも実証されたYF-23とほぼ同じレベルという印象だ。 潮の影響を受けにくい場所を選んで、同時に取材した新しいYF-23/F100と2艇並べて何度か流してみたのだが、流れていく速度や角度は殆ど見た目では変わらないほど。 メーカーのシミュレーションデーターでは、風向の軸に対して船尾側に流れていくYF-23より若干船首側に流れていく傾向があるようだが、以前のWTBのないUF-21CCと比較すると、その違いは歴然だ。 船外機仕様の21フィートフィッシングボートにそういった風流れ特性が得られたということは、それなりに市場にアピールできる大きな要素になるはずだ。 国産センターコンソーラー的アレンジ デッキ廻りは、これまでのUF-21CCとまったく変わらない。 コンソールの位置を船首側に寄せて船尾側広いスペースを確保したレイアウトにもにも係わらず、十分なフィッシングスペースとして機能するバウ側のレイズド・デッキ。 キャスティングやジギングでも対応できるようにワンステップ高くなったフリッピングデッキ的なアレンジで、両舷側に小物類を置いておくのに便利なサイドトレイが取り付けられている。 スタイリングを意識したコンソールはやや小さめだが、カディ内にはオプションで手動マリントイレを設置できるスペースを確保。またハッチがくの字型になっているのは出入りができるだけスムーズに行なえる配慮でもある。 さらにダッシュボードにはGPS魚探をビルトイン可能。 リーニングシートはオプションで設置できる。 このボートのメインとなる船尾のスペースは非常にゆったりとしたスペース。 中央にはスカッパーキャップやハンドルを体裁よく収納できるようにインナーを取り付けた125リッターの大容量の船底貫通型のイケスを備える。 3つに区分けされた船尾の収納スペースの中央は燃料タンク、左舷側は2個収納することができるバッテリースペースとなっている。 全体的にはキャスティングやジギングといったスポーツフィッシングも意識した国産センターコンソーラーらしいボートにまとめられている。 オプションになるが、カラーハルにTトップを取り付ければ、まさにスポーティなセンターコンソーラーというイメージに仕上げることもできる。しかし機能的にはWTBによる風流れ特性など、日本的なフィッシングにも十分応えられるだけの装備と機能を持ったフィッシングボートといえる。 最近のユーザーで増えてきているのは、いつもは流し釣りなどの日本的な釣りを楽しんでいるが、時にはルアーでジギングやキャスティングもするというオーナー。 もちろんその逆もあるが、状況やターゲットに合わせていろんな釣り方を楽しむスタイルのオーナーが増えてきているのだ。 以前、スタイルのいいスポーツ系のフィッシングボートをベースに、日本的なフィッシング機能を盛り込んだボートがあれば面白いと漠然考えてたことがある。 ある意味、このYF-21CCがそういったボートなのかも知れない。 日本的な釣りは嫌いじゃないが、日本的なフィッシングボートのスタイルは好みではないというユーザーもそれなりにいるはず。 こういったボートが、意外と新しいボートフィッシング支持層を生むのかも知れない。
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