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                           ヤマハ STR−18CRのレストア
                                         Part2

     2006年 8月 24日
ボート月刊誌より
この記事は2005年11月、ボート月刊誌に掲載された情報です。

いよいよレストア開始!船尾下部クラックの補修(その1)
最初に着手するのは船尾下部のクラックの補修作業だ。
見た目の状態では比較的浅く表面上のものに見えるが、海水によるFRPのダメージも予測できる。
腐朽の度合いによっては大掛かりな作業を余儀なくされてしまうが、まずは削ってみなければ・・・。

■クラック
一見、ダメージが少なそうに見えるが、塩分が内部の奥深くまで浸透している可能性も考えられる。

前回のチェックでは「削りとFRPの積層で十分なハズ」という判断を得てはいるが、実際に削ってみなければ判らない。

○万全の体制?で切削作業に挑む
一見したところ、そう大掛かりな補修は必要ないと思えるものの、特に海水が絡んだ場合のFRP補修は、プロでも削りながら腐朽の具合を判断することが必要だ。
ましてや当編集部のメンツは、ある程度知識はあるものの実作業に関してはほぼ素人。
切削範囲の判断も含め手探り状態での作業となる。

以前ヤマハ発動機のS氏に診ていただき、ある程度の範囲を切削しFRP積層で充分なハズという診断を得てはいるものの、補修箇所は航走中、常に水圧を受け続ける場所であり、万が一海上で剥離することがあれば沈没は必至。
慎重な判断と確実な作業が今後のSTRの命運を左右する。

今回行う切削作業そのものに関してはディスクサンダーを使用する。
多少のDIY経験がある方なら、特に難しいこともなく誰でも出来る作業だろう。
ただし、ほんの一瞬の油断が大怪我に繋がる可能性のある工具ではあるので、充分に注意を払いながら慎重に作業を進めよう。

■今回使用した工具の数々
切削作業に必須のディスクグラインダー(量販店で数千円のごく普通のタイプ)・FRPの腐朽具合を叩いた音で判断するための金槌・マーキング用の油性ペン・そして、切粉が飛び散らないよう用意した汎用集塵器(これも量販店で1万円前後で購入可)。
■グラインダーに取付けたディスク
DIYショップへ行くと、ディスクだけでも相当数の種類が置いてあるので、どれが適しているのか悩んでしまう。
FRPを削りこんでいくのなら、写真のような一般鋼材用やスチール用の厚めのタイプが良いだろう。
■これがスタンダードなFRP作業のスタイルだ!
大げさな様に思う方もいるだろうが、FRPの切粉が身体に付くと、2〜3日はチクチクした痒さに悩ませられるハメに陥る。
全身を覆う防塵服はワンピースで300円前後、防塵マスクとゴーグルも1000円前後で購入可能だ。
万全を期して、首にはタオルを巻きつけた。
■切削範囲を金槌で叩いて確認
クラックに対して垂直方向に広がっていく方向へコンコンと叩いていき、変音するポイントを探っていく。
S氏のアドバイスでは、正常ならカンカンと堅い金属音のような音、FRPに剥離があると鈍い音がするというが…。
■変音ポイントをマーキング
丹念に叩いていくと、変音ポイントが概ね2ヶ所に分かれることに気がついた。
ひとつめはゴンゴンがコンコンと変化し、ふたつめはいかにも堅そうな、カンキンッという乾いた音になった。
写真中の矢印のように、クラックから外側に向けて徐々に音が変化していく。
■マーキングした×ポイントを線で囲んでいく
ふたつめのポイントで囲んでいくと範囲があまりにも広がってしまうので、ひとつめのポイントを基準にして囲んでいった図。
こうしてマーキングすると、ハル下に向かって海水が浸み込んでいったことが良く解かる。
■仰向けになり切削作業を施す
サンダーをしっかりと保持しながら作業できるように体勢を固めて切削していく。
写真では撮影上の都合で、片手で集塵器のホースを持っているが、本来は絶対に×。
両手でしっかりとサンダーを押さえるのが鉄則。
集塵は助手をつけて行うようにしよう。
■FRP補修のための切削ルール
FRPを張り込むときは、後々の剥離を防ぐため切削箇所との接合面積を可能な限り広く確保することが必要となる。
そのため写真のようにクラックに対して斜めに削っていく。
剥離や強度面で不安が残るケースなどでは、裏面からも張り込んでいく作業が必要となるのだが…。
■あっという間に貫通してしまいました…
正常な部分は堅いが腐朽しているところは崩れるように削れるので、判断は容易についたのだが…。
当初の楽観的な予想はもろくも崩れてしまった。
腐朽箇所を全て削り落とすと、外側のみの張り込みでは不可能なほどの大穴が開いてしまう。
こりゃ、エンジン降ろさないとダメかな…


○キャビン内部への浸水
今回はもうひとつ問題箇所を見つけてしまった。
キャビンへの浸水だ。
以前、保管していたマリーナでは幸い屋内艇庫だったようで露見しなかったのだが、屋根付きの環境でボートを保管できるケースはごく稀だろう。
もし以前の保管場所が屋外であったら、キャビン内は湿気からくる腐食でグサグサ、外装も日やけと風化で、今の状態からは想像もつかないほど悪い状態になっていたことと思う。
その意味ではとても幸運に恵まれていたと言うべきで、増々レストアを進める意欲が湧いてきた。

■浸水箇所がほぼ特定できた
水が溜っていたのは、右舷側シート下のストレッジとセンター床面のみ。

写真では分かりづらいが、右舷側バルクヘッド下部が腐食している。
水が浸入しているのは此処だ!
■何はともあれ換気と乾燥
浸水の有無に関わらず、キャビン内の換気はできるだけ頻繁に行いたい。
古いボートや、たまにしか乗らないボートのキャビンで感じる何ともいえない嫌な臭い。
あれを防ぐにはマメな換気が一番の特効薬だ。

この日は幸い天候に恵まれ、ほぼ一日を通して晴天が続いたので充分な換気ができた。
エンジンルームに関しても、ビルジの湿気からくる錆を防ぐために換気したほうが良い。


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