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                           ボートのドレスアップ&リフォーム
    2006 年 11月 17日
 ボート月刊誌より
この記事は2003年12月、ボート月刊誌に掲載された情報です。

ボートの艤装といっても、さまざまな艤装がある。どんなボートで、どういった楽しみ方をするかによっても艤装スタイルは違うし、それに対する思い入れによっても、まったく違ったボートになってくる。
つまり購入した時には、何もない状態のボートであっても、オーナーの情熱と経験によってボートにアイデンティティーを与えていく、それが艤装の面白さといえるだろう。それだけに奥が深い。
したがって、艤装とはただボートにモノを取り付けたりするだけではない。
今回はボートの艤装をドレスアップとリニューアルという観点で考えてみたい。

ボートの艤装を見れば、そのオーナーのボーティングの楽しみ方がわかるというほど、艤装には個性が表われる。
ただやみくもに何でも取り付ければ良いというのではなく、知識と経験によって適切な艤装がされているボートは、本当にイキイキとして見えるものだ。
逆にただやみくもに何でも取り付けてあるだけの艤装だとか、安全性や使い勝手から見ても間違った取り付け方だったりすると、本当に残念だが、バランスの悪いボートに見えてしまう。

艤装品と呼ばれるものの中には、ある程度取り付ける場所が決まっているモノもあれば、工夫することによって自分が思うように取り付けられるモノもある。
また簡単に自分で取り付けられるモノもあれば、かなりの知識を必要とし、専門のプロにお願いしなければ無理な場合もある。
ボートメーカーや艤装品メーカーなどで専用に用意されているパーツもあれば、さらに工夫を加えて自分で作ってしまう場合もある。

しかし「何をどこにどう取り付ければいいのか」ということがはっきりとわかっていないと、本当の艤装はできないだろう。
それには海に出ることが必要だ。
そしてその体験のなかから必要なもの、不必要なもの、取り付ける場所などがわかってくるはずだ。
どうすればボートがもっと機能的になるのか、またエレガンスに見えるのか。
だから艤装という言葉より、ドレスアップやリニューアルという言葉で表現した方がボーティがイメージする艤装がはっきり見えてくる。

アイデアはまさに無限大。
自分だけのボートに仕上げる作業は、ある意味、真のボーティングスタイルを求めることと密接に関係しているのだ。
今回は、そんな艤装を楽しんでいるオーナーのボートを見ながら、艤装の魅力を体験してもらいたい。

【船外機の積み替え ヤマハCR−27】
2ストロークから4ストロークへ船外機を積み換え。
それに合わせて、船尾の形状を思いきって変更、快適性をさらに向上させた。

兵庫県の新西宮ヨットハーバーにヤマハCR−27セダンを係留保管しているIさん。
現状の2ストローク200馬力の選外機から4ストローク225馬力の選外機に乗せ換えを決めたが、このCR-27のキャラクターにもなっている船外機カバー(右図)をどうするかという問題に直面した。
エンジンのサイズが大きくなることから、カバー内に入り切らないのだ。

販売店と相談しながら、最初はカバーの取付位置を高くする方法で取り付けを考えたが、予想以上にカバーが高い位置まできてしまうことから、見た目もスッキリしないし、後方の視界や作業性も悪くなるということで、最終的にはモーターウエルの上に取り付けてあったカバー自体を取り外してしまうことにしたそうだ。

しかし、取り外したそのままでは船尾がすかすかして気に入らない。
そこで考えたのが、船尾にしっかりとしたスターンレイルを取り付けて安全性を確保、さらにモーターウエルに蓋をするように開閉式のベンチシートを取り付けるようにした。
もちろんコックピット左右にあるベンチシートと面があうようにして取り付けられている。

これによって、従来モデルではカバーが張り出していた部分もベンチシートとして一体化、コックピットの広々感がはるかにアップした。
それによって船尾での作業性も格段に向上した。
また結果として、スタンレイルにクランプ式のロッドホルダーを取り付けることも可能で、フィッシング時の使い勝手も良くなったという。
もともとフィッシングを前提としたボートではないが、これなら釣りもそこそこ楽しめるという。

もちろんエンジンをチルトアップする時には、ヘッドがあたってしまうから、開閉式のベンチシートを手前に引き倒さなければいけない。
多少面倒だが、それも保管している時だからそれほど気にはならない。

それよりもエンジンを4ストロークに積み換えれたことや、船尾の周辺のリニューアルによって得られたメリットの方がはるかに大きい。
しかも趣味のガシラ(カサゴ)釣り(友人と共同で別に釣り用のボートも所有)も、このボートでやりやすくなったも結果的には良かったという。

船外機カバーの目的は、エンジン音の削減。
それは、静粛性の高い4ストロークの積み替えで解消されるのだから、乗せ換えに合わせて思いきって取り外した方がよかったのだろう。
時代の流れで陳腐化した部分を思いきってリニューアルするだけで、新しい魅力を持ったボートに生まれ変わるという好例だ。
エンジンを降ろした状態。
モーターウエルに蓋をするように開閉式のベンチシートを取り付けるようにした。
これによって、エンジンカバーだった部分が座席と一体になり、コの字型のゆったりしたコックピットになった。
さらに安全性のために、トランサムにしっかりとしたレイルを設置。
そこにロッドホルダーも取り付けるようにした。
エンジンをアップした状態。
開閉式のベンチシートを開ければ、4ストローク225馬力の船外機が完全にチルトアップできる。
これなら海上係留でも安心。
この時には、開けたシート部分が少し邪魔になるが、これはやむを得ないとのこと。
これを解消するにはもっと大掛かりな作業になってしまう。



【可倒式ハードトップ  ヤマハYF−21】
どうしても屋根のあるボートがほしい。
しかし、保管場所の関係で高さは1・6メートルまで。
それを解決してくれたのが、可倒式ハードトップ。


2人の子供たちと一緒にフィッシングを楽しむために、ひと回り大きなボートに買い換えた新潟のWさん。
このボートを選んだ理由は、販売店が独自で考えた可倒式のハードトップというオリジナル艤装が、自分が考えていた条件をクリアしてくれる内容だったから。
そういった意味では、今回のケースはオーナーの艤装というより、販売店側の艤装アイデアがユーザーの考えと一致したというケース。

Wさんが以前乗っていたボートは、友人と一緒に共同で購入したヤマハのUF-17。
センターコンソールタイプの小型フィッシングボートである。
ボートを保管してある場所が河川係留施設で、どうしても低い橋の下を通過しなければ行けないこともあって、高さのないこのボートを選んだということ。

これまでは友人も忙しく一人で出かけることが多く、このボートでも十分だった。
しかし最近は友人も少しずつ時間が取れるようになり、一緒に釣りに出る機会が多くなってきた。
さらに自分の子供たちも大きくなり、一緒に釣りをするようになった。
そうなると、このUF-17では少し小さく感じ、できればもうひと回り大きなサイズのボートに買い換えようということになったそうだ。

友人は屋根のあるトイレ付きのボートにしたいという強い希望。
しかし20フィート前後の屋根付きのボートとなると、どうしても高さの問題に引っ掛かってしまう。
ボートの高さが水面から1・8メートル以下でないと橋をくぐることができないのだ。
それで悩んでいた時に知ったのが、今回の可倒式ハードトップというアレンジが施されたYF-21。
ハードトップを倒した時の高さが1・6メートルになり、これならすべての購入条件を満たすことができるということで、早速購入に踏み切ったという。
河川の係留施設などでは、どうしても低い橋をくぐらなければいけないなど、ボートの高さが制限されることもある。
しかしオープンタイプのボートではちょっと厳しい時もある。そんなニーズに応えてくれるアイディアが、この可倒式ハードトップ。

最初は揺れる海の上での作業や水漏れなどの不安もあったが、現在乗っている範囲ではまったく問題はないとのこと。
実際に1人で倒したり起こしたりしても、それほど大変な作業でもない。

まわりには自分でハードトップの上を切断して、取り外せるようにしたボートあるそうだ。
しかし、ハードトップとはいえ、船体を自分で加工するのは結構大変な作業だ。
オーナー自身が自分にマッチした艤装を考えていくというのがこれまでの一般的な話だったが、これからは販売店がこういった地域の細かなニーズにマッチした独自の艤装モデルを提案し、それをユーザーが選択するというスタイルがこれからもっと増えていくのではないだろうか。
今回の可倒式ハードトップは、これまでの自分で考える艤装ではなく、条件に合わせて選べる艤装ともいえる。

大型のウインドウはガラス。

これだけでもかなりの重さになるが、倒したり起こしたリの作業はひとりでも比較的簡単にできる。

それほど頻繁に作業するわけではないので、これで十分。

起こしてしっかり固定してしまえば、がたつき音や雨水などが合わせ目から入ってくることは、まずないということだ。



        チェックポイント


この可倒式ハードトップは、YF-21の新艇購入時にハードトップ部分を取り付けない状態で工場出荷、販売店で取り付け作業がおこなわれる。
そのために部品価格に取り付け費用が加算される。

●可倒式ハードトップ一式¥48,000
(可倒ヒンジ、ストームレール、ダンパー、密閉ロック、防水クッション、コーションステッカー)

●取り付け工賃¥68,000
合計¥108,000


試作の段階ではコストの関係から付けていなかったという油圧バンパー。
しかし安全性の面や作業の扱いやすさから取り付けることになった。


【オリジナル儀装 ヤマハPC−26】
あらゆる部分に手が加えられたというほど、自分だけのボートに仕上げられたPC-26。
まさにオリジナル艤装の楽しさを具現化した1艇。


ボートの艤装もここまでくれば、かなりの艤装マニア。
市販されているさまざまな備品を取り付けるだけでは物足りなく、自分でさまざまな飾り付けをしたり、独自の備品を考えて取り付けていくといった艤装は、艤装というよりリニューアルといった方がいいかも知れない。

このボートのベースになっているのはヤマハのPC-26。
ラインナップから消えてかなり年数が経つが、手頃なサイズのセダンとして人気のあったモデルだ。
そのPC-26をここまで手を加え、造り込んできたのには驚いてしまう。
今回オーナーの話は、都合で伺うことはできなかったが、その艤装を見ているだけでもかなりこだわりを持ったオーナーだと理解できる。

まず最初に目に付いたのはトランサムプラットホームの貼ったばかりというコルクのボード。
マリン仕様のコルクで、チークデッキと同じように貼り込んでいくのだ。
ノンスリップ効果も高く、クッション感があって感触がいい。
耐久性も通常の使用ではまったく問題がないということだ。
現在プラットフォームだけを貼り終えたところだが、これからバウデッキやコックピットの床にも貼っていく予定だという。
おそらく貼り終えたら、ボートのイメージが全く変わるはずだ。

かなり熱心に釣りを楽しんでいるようで、そのプラットホームにはオートスパンカーを装備、アウトリガーやロケットランチャー、また木製のスタンレイルにもさまざまな釣り艤装が目立つ。

さらに独特な形状をしたオーニング。
おそらくこれもオーナーのオリジナルだろう。
フライブリッジのオーニングと、コクピットの大部分を覆うような大きなサンドジャー(日よけ)が一体化したタイプ。
日ざしの強い夏のフィッシングには非常に効果的だろう。
この辺りのフレーム系の艤装には、かなりレベルの高さを感じてしまう。
新艇でもフレームでさまざまなパーツを構成したり、組み合わせていくのは、これからもっと盛んになってくるだろう。


またヘルムステーションのメーターパネルにも、ウッドがはめ込まれ独特の雰囲気を漂わせている。

オーナーが材料の木を持ってきて、スタッフにこうやってほしいと注文していくのだという。

計器ボックスやカウンターテーブルなど、確かにいろんな部分にウッドが使われている。

ここまでくるとまさしく趣味の艤装の世界。
つまり艤装そのものを楽しむということなどだ。


エンジンは当初のディーゼルの2機掛けから1機に積み換えている。かなり苦労のした様子が伺えるが、それによってできたスペースにオナン製の5kwのジェネレーターを搭載し、発電機の搭載に合わせてエアコンやテレビなどのも装備。
エアコンの吹き出しは構造上の問題で、キャビン左舷側のカウンターに設置。

そのカウンターテーブルもオリジナルで取り付けた。



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