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                            電気回路のメンテナンス
     2006年 8月 10日
ボート月刊誌より
この情報は2005年11月、ボート月刊誌に掲載された記事です。

ボートもきれいにクリーニングが終わって、エンジンメンテナンスも完了。
これで万全?いや、意外とメンテナンスの盲点になりやすいのが、バッテリーやジェネレータなどの電気系統。
特に配線やターミナルを入念に手入れしたい。

[1]見落としがちな配線のチェック
ボートの電装を機能別に分けると概ね下の図のようになる。
電装品の大敵といえば、水分、塩分、振動、熱、などだが、夏の船上は全てが揃っているといっていい。
まずは見落としがちな配線から始めよう。
配線の出発点はバッテリーターミナル。
緩みや腐食はないか?
ターミナルが青や緑の化合物で彩られてはいないだろうか?
ターミナルと電線が電食を起こし変色していないか?
バッテリーケーブルが水を吸っていないか?
もしもこのような状態が発見できたら、直ちに手入れが必要だ。

図一


HOW TO MAINTENANCE

1・急角度の曲げは応力割れのもと。ターミナル交換
2・青や白の粉はお湯と歯ブラシで落とす(熱湯禁止)
3・端子の酸化皮膜はワイヤーブラシで軽く除去する
4・しっかり取り付けし直す
5・その後に防水グリスを塗布する
6・ケーブルの吸水は、交換した後に液体ゴムシールを塗布するか、ヒートシュリンクチューブで防水する
図2


[2]ビルジ関連機器のチェック
次はずーっと下がって船底をチェック。
ここにはビルジやシャワーの排水ポンプが取り付けられている。
ここは船の中で最も劣悪な環境といえる場所。
海水や油など、何でもありだ。
中でも被害を受けやすいのはビルジ関連の機器で、常時電圧が掛かっているので常に電食の危機にさらされた状態。

一見何でもなさそうでも内部で腐食が進行していることが良くあるのだ。
充分に注意をしながら配線に力を加え、健康チェックしたい。
ビルジに浸かる配線は、油の浸入による被覆の絶縁低下にも注意が必要だ。
普段はあまり気にしないビルジ周りだが、係留中に故障すれば最悪、沈没の危険も考えられる。
実際、沈没しないまでも、機関室の浸水で多額の修理代を支払った人は沢山いるのだ。
できることなら2系統の異なった方式のビルジシステムを備えたい。

[3]発電システムの健康チェック
3番目は発電システムの健康チェック。
船内機や船内外機は、ほとんどの場合発電システムとしてオルタネーターを採用している。
これは三相交流発電機で、自動車に付いているものと殆ど同じ物だ(流用品も多い)。
充分に完成された機械なので、正しい使い方をすれば殆ど故障することはないが、湿度とベルトの張り過ぎには弱いのである。
もちろんベルトの減りや弛みは発電能力の低下に直結する。
取扱説明書に従い、ベルトを調整し、出力電圧を測定したい。

船外機の発電装置の場合は、通常フライホイールの中に取り付けられているので、分解しなければ見ることはできない。
点検は、外部に出てくる出力電圧、充電電流を測定することにより良否を判定することもできる。
異常が感知されたら発電コイルの抵抗を測定して良否を確定。
このあたりからは専門の修理業者に依頼する方が良いかも知れない。

[4]配電盤やスイッチ類のチェック
最後は配電盤やスイッチ類のチェック。
船室内に設置された機器は余り塩害などを受けないが、フライブリッジやセンターコンソーラーなどでは、外からの影響を大きく受けることになる。
図3のように、よく掃除をした後で防水性のある防錆防湿剤をスプレーしたり、液状の合成ゴムなどを塗布して水や塩分から機器を守りたい。

Riquid Neopranなどの合成ゴムは、長期間に渡って有効な保護皮膜を形成するのが特徴。
外部に露出する端子類はこれらを使って保護したいものだ。
またビルジ周りの配線は、これと熱収縮チューブ併用が一番。
スプレータイプの防錆防湿剤は、細かいところに浸透して防錆効果のみならず撥水効果を発揮する。
GPS、魚群探知機、入り組んだ配線盤などはこちらが便利だが、時々再スプレーする必要がある。
防錆防湿剤は浸透潤滑剤と似ているが、潤滑浸透剤は配線の被覆や絶縁性に影響を与えることがある。

HOW TO MAINTENANCE

1・よく清掃(必要ならワイヤーブラシで磨く)
2・防錆、防湿剤をスプレーする
3・あるいは液状の合成ゴムなどを塗布する(Liquid Neopran)。
ビルジ周りの配線はこれが一番
4・防錆、防湿(CRC6-66等)は配線被覆にも通常、害を与えず浸透潤滑の役目をする

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