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                             エレクトリックモーター
     2006年 9月 22日
ボート月刊誌より
この記事は2004年7月、ボート月刊誌に掲載された情報です。

◆エレクトリックモーター
1・5kw未満のパワーユニットとして注目されるエレクトリックモーター

新しい免許制度によって、規定条件の範囲なら小型船舶免許も船検もいらなくなるという処置で注目されているのがエレクトリックモーター。
すべてのマウントタイプのエレクトリックモーターは、この1・5kw以下の範囲である。
これまでバスやシーバスボートなどで補機として使うのが一般的だったが、小型のポータブルボートでは、このモーターをメインのパワーユニットとして取り付けるケースも十分に考えられることだ。

エレクトリックモーターはバッテリーで駆動するパワーユニットだということはわかっていても、そのエレキにいろんなタイプがあるということは意外とわかっていない。
まず基本的なタイプの違いを理解しておきたいものだ。




■エレクトリックモーターの基本
ソルトウォーター仕様とフレッシュウォーター仕様

エレクトリックモーターなら何でもいいと思っている人がいるなら、それは大きな間違い。
これまでエレキのほとんどはバスボートを対称としていたため、基本的には淡水仕様がメインなのだ。
もちろん海で使うことを前提としたソルトウォーター使用もラインナップされているが、防塩・防錆処理などを各部に施してあることから、それなりに割高になっている。

しかし、海で使うことが前提なら、ソルトウォーター仕様とカタログに記載されているタイプの中から選ぶ方が無難。
もちろん淡水モデルが海で使えないというわけではないが、もし淡水仕様のものを海で使用したことでトラブルが発生しても、この場合は保証の対象にならならないということ。
当然、トラブルが発生する可能性も高くなる。

電気は塩分が天敵だということを考えると、最初にしっかりしたメーカーのものを選んでおくことが大切だ。
最初にエレキの知識のある、しっかりした販売店で相談する方がいいだろう。

また海外などから通販で割安に購入する方法もありますが、エレキはけっこう何かと手がかかるので、パーツ交換や修理、オーバーホールなどのことを考えれば、よほどエレキに対してしっかりした知識を持ったユーザーでない限り、身近な販売店で求めた方が結果としてメリットがあるかも知れない。


ソルトウォーター仕様

外観的な違いはカラーリングとグラフィック。
代表的なメーカーはホワイトがソルトウォーター仕様になっているようだ。
しかし、内部はしっかり防塩・防水処理が施されている。
フレッシュウォーター仕様

海で使えないわけではないが、使った後でしっかりメンテしないといけない。
もしトラブルになっても保証が利かない。

●バウマウントとトランサムマウントの違い
エレキを取り付ける位置によってマウントタイプなどが異なってくる。
バスボートやシーバスボートなどに取り付けるのはバウマウントと呼ばれるタイプ。
バウデッキに固定するために大きめの台座に、エレキを上げ下げするためのブラケットの付いたマウントが取り付けられているタイプだ。

一方、主機としてエレクトリックモーターを使う場合は、一般的にエレキを船尾側のトランサムに固定するタイプを使用する。
これをトランサムマウントタイプといい、レバーロックで締め付けて固定するマウントが取り付けてある。

つまり、この違いはボートの船首側に付けるか、船尾に付けるかだけの違い。
もちろん主機として船首側に取り付けて操作する場合もありますが、どちらかといえば特殊なボートの場合だ。

※写真右−「FIRST STRIKE」というミニボートにトランサムマウントタイプのエレキをバウ付けしたタイプ。
これくらい小さなボートなら、こういったスタイルで操船する方法もある


トランサムマウント

トランサムを挟み込んで固定するマウント。
エレキの取り付け取り外しも容易。
チルト調整も可能。

バウマウント

バウデッキにマウントの台座部分をボルトで固定するタイプ。
船体の取り付けには船体に穴を開けるなどの作業が必要。


●フットコントロールとハンドコントロール
このフットコントロールとハンドコントロールの違いもその名の通り、足でボートをコントロールするか手でコントロールするかの違い。

基本的にフットコントロールの方は、バスフィッシングなどの時にバウのフリッピングデッキに立ってキャスティングしながらボートをコントロールするために開発されたもの。
フットコントローラーのスイッチ切り替えやベダルの調整だけでボートを自由にリモートコントロールでき、両手はキャスティングのために自由に使えるのがメリットだ。

したがってバウマウントタイプのエレキと組み合わされているのが一般的。
慣れるまで少し戸惑いますが、マスターしてしまうと思ったよりコントロールしやすいものだ。

またハンドコントロールの方は、手でティラーを操作しながらボートをコントロールするタイプ。
エレキを主機としてトランサムタイプのエレキは、基本的にこのハンドコントロールタイプになっている。
始めてティラーを操作するビギナーには、こちらもステアリングと感覚が異なるので最初は戸惑うかも知れないが、すぐに慣れるはず。

もちろんバウマウントタイプでもハンドコントロールモデルはあるし、ハンドコントローラーというリモコンを手で操作してエレキをコントロールするタイプもある。

←手でエレキをリモートコントロールできる
ハンドコントローラー。
すべてのオートパイロットシリーズに付く

↑フットコントロールとは足でリモート操作するタイプ ↑ヘッドケースと」ティラ−が一体化したハンドコントロールタイプ




■エレクトリックモーターの付加機能
最近のエレクトリックモーターはどんどん進化してきている。
さまざまな機能が付加されたり、コントローラブルな機能が充実してきている。

●ミンコタマキシマイザー
マキシマイザーとは基盤の名称で、無段階変速を制御するPCコントロールボードのこと。
5段階スイッチに比べ極めこまやかにパワーを調整することが可能になり、最大約5倍もの時間、バッテリーを長もちさせることが可能というものだ。

またマキシマイザー搭載モデルは、スロースタートシステムを採用。
万が一、不意にフットペダルを踏んだ場合でも、安全に力強くスタートするように制御されている。

例えば、エレキが真横を向いているとき、急発進させるとボートが急旋回してしまい非常に不安定。
落水の可能性もありが、そんな危険も回避できる。

●グラスファイバーコンポジットシャフト(写真右参照)
ミンコタ全製品に採用されているグラスファイバー・コンポジットシャフトは、NASA航空宇宙局でのスペースステーション構築などにも採用されているテクノロジーで、衝撃をしなやかに吸収することで、スチールシャフトの約3倍の耐荷重を持ちシャフト単体で約90kg、マクサムマウント装着時には約200kgの負荷に耐えることが可能。
しかも永久保証だ。


●ユニバーサルソナー
以前から魚探のモーター部分にトランスデューサーを取り付けるというアイデアがあって、それ用のトランスデューサーが発売されていたのですが、ランスデューサーをモーター内部に内臓したのは画期的。
周波数200キロヘルツの魚探のモニターに、魚探メーカー別の専用アダプター(写真右下)で接続するだけで魚探が使えるようになる。
邪魔な配線もシャフトの内部を通すことで、断線の危険も回避できる。



↓魚探メーカー別専用アダプター
魚探のトランスデュサ−をモーター内に内臓(指定された魚探のみ使用可能)




■バッテリーとバッテリーチャージャーの基本

●バッテリーの特性を考えて、適したバッテリーを使う
エレキを快適に使用するための第3のポイントがバッテリーシステム。
バッテリーならなんでもいいと思っているなら、それは大きな間違い。
バッテリーには、いくつかのタイプがあり、使用目的に適したバッテリーを選ぶことが重要だ。

まずエンジンの始動時に用いられるクランキングバッテリー。
これは瞬間的にラッシュ電流という強電流を放出できるバッテリーのこと。
これはエンジンの始動バッテリーとして適している。

もうひとつは、ディープサイクル(サイクルサービス)バッテリーと呼ばれるタイプのもので、一定して安定した電流を長時間放出するタイプのバッテリー。
しかもこのディープサイクルバッテリーは、一度完全放電しても、充電によってまた元に復帰し、それを何度も繰り返せるという特性を持っている。
エレキのバッテリーとして適しているのは、完全に使い切っても安心なこのディープサイクルバッテリーとということになる。

またメンテナンス性で見ると電解液の水分が減ると補水が必要な「開放型」と、液口栓が密閉されて内部の水分が減少しにくいメンテナンスフリータイプの「密閉型」のバッテリーがあり、ディープサイクルタイプはこの密閉型。

さらに使われている極板の合金素材も、製造コストのかかるカルシウム合金。
これは自動車用バッテリーで使われているハイブリッド合金より自己放電の少ない素材である。
また腐食や熱にも強く、長寿命で安定した性能を維持できるのが特徴。

そういったことを考えると、コスト的には若干高くなってしまうが、ディープサイクルタイプが最もエレキに適したバッテリーといえる。 

●ディープサイクルバッテリーに専用バッテリーチャージャー
バッテリーの充電はバッテリーチャージャーを使用するが、ディープサイクルのバッテリーには専用のバッテリーチャージゃーを使用するのが常識。
クルマ用品のディスカウントショップで買ってきたバッテリーチャージゃーでも充電できないことはないが、タイプによってはフル充電能力がディープサイクルの75%しか充電できない場合もあるといわれている。
そうなると実際に使用しても通常の3/4時間しか動かないことになる。

さらに注意しなければいけないのは、過充電によってディープサイクルバッテリーの極板を傷めてしまうこと。
過充電防止機能の付いた専用チャージゃーを使用するようにしたい。

また、バッテリーを取り外して充電する場合、まずエレキとバッテリーの接続を完全にはずし、先に取り外したコネクターがショートしないようにマイナス極のケーブルを先に外し、取り付ける時には逆にプラス極外から取り付ける。
いずれにしてもショートさせないように注意しながら作業すること。

またバッテリー内部で発生したガスが船内に充満すると、引火爆発の危険性もある。
長期間バッテリーを使用しない時は、陸上の通気のいい場所に保管し、時々補充電するのがベスト。

ディープサイクルバッテリーは、エンジンのセルモーターを動かすような大容量の電気を断じ姦に放出するクランキング(始動用)バッテリーと違い、微弱な電流を少しずつ取り出し、カラになっても繰り替えし充電できるバッテリー。 ディープサイクルバッテリーは、充電特性が一般のバッテリーと異なっているため、定電圧で充電する専用のチャ−ジャーを使うようにしたい。


■ソルトウオーター仕様のエレクトリックモーター

●ソルトウオーターモデルが充実している「ミンコタ」
エレクトリックモーターのリーディングカンパニーのひとつが「ミンコタ」。
さまざまな技術を次々と投入して、エレクトリックモーターの一時代を築いてきたブランド。
しかも早くからソルトウオーター仕様のエレキ「ビンテージ」シリーズをラインナップに加え、海水域でのエレキの可能性を追求。
そのラインナップが充実しているのもミンコタの魅力だ。

またフットコントロール全モデルにダブルワイヤーシステムを採用したり、強くてしなやかなグラスファイバーコンポジットシャフトに永久保証をつけるなど、細部にまでユーザーの安全や使い勝手を考えたエレクトリックモーターといえる。
推進力重視の低回転高トルク型のモーターは、最大推進力101ポンドを誇る。
発熱だけでなく、魚探に影響する摩擦によるノイズや消費電力等も最低限に抑られている。

また、ミンコタと並んでエレクトリックモーターの世界をリードするブランドが、「モーターガイド」。
激しいバストーナメントの中で鍛え上げられてきた「ツアーエディション」シリーズをフラッグモデルに、フレッシュウォーターでは、比類なきパワーを見せつけてきた。
最大推進力は36V/109ポンド。

これまでフレッシュウォーターの「モーターガイド」というイメージが強かったが、ラインナップにはソルトウオーター仕様の「グレートホワイト」シリーズも加わった。
ただそのソルトウオーターシリーズにトランサムマウントモデルはまだ用意されていない。 
アンダー1・5kwの恩恵の中で、選べるモデルが少ないのが少し残念。

※写真右−MotorGuide Great Whiteシリーズ
ソルトウォーター・ユース完全対応したシリーズ。
海水生域における過酷な使用を想定、各部に塩に対する対腐食対策を完璧に施している。



MINN KOTA VANTAGE シリーズ
ハンドコントロールタイプの最高峰モデル。
トリムアップ&ダウンが手許もボタンひ通しでひと押しで可能。
4:1ステアリング機能も搭載。
ハンドルを45°回すとモーターが180°回転。
36V/101Lbs



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