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◆新世代船外機の発電能力を有効活用する 暑い夏の間は、クーラーボックスでキンキンに冷えたビールとサンドウィッチのランチもなかなかおしゃれだし、冷えて少々澱粉質が戻ってしまったコンビニ弁当も御愛嬌。 でも、船の上で暖かい食事をしたい!!これから寒くなると切実な願いになります。 これからのシーズンに嬉々として船を出す人の大部分は、サカナ釣りが大好きな人達。 せっかく釣ったピチピチ魚の刺身も、相方がパンや冷えたおにぎりでは興醒めです。 ここは一番、日本人の食の王道! 炊きたての湯気の立つご飯を船上で食す。 そのための方法を試してみました。 新世代の船外機はその機構上、従来の船外機とは比較にならないほど発電能力が強化されています。でも残念なことに一般的な船に装備されているバッテリはその充電電力の全てを受け入れることができません。 右の要項表の普通充電電流欄を見ると、船外機艇によく装備されている75D26R(L)も85D26R(L)も6.5Aと書かれています。 実際にはもう少し流れますが、バッテリが完全充電になれば船外機にいくら発電能力があろうとも、充電電流は限りなく0アンペアに近づきます。 そこで手間と暇をはぶきながら、これからの季節寒い船上でホカホカのご飯を食べるためにもアナタの船外機にもう一働きしてもうらおうじゃありませんか。 まず用意するものは、電気炊飯器・湯沸かしポット・容量に見合う能力の、12V仕様のDC-ACインバータ。 ここで大事なことは、最新のハイテク「マイコンナントカ」みたいな高級品は買わないこと。ご飯が炊けて保温ができる。 これで十分です。 右の炊飯器は10年以上前に購入した3合炊のものです。 湯沸かしポットは容量1リットル保温機能付き。 上記の「船の中でご飯を炊くと」をご覧下さい。 炊飯器でご飯を炊くときには凡そ25アンペアの電流が必要なことが分かります。 「ついでにお湯も沸かしてみると」こちらは概ね38アンペアの電流が必要なことが分かります。 先ほど見て頂いた「要項表」の5HR容量欄を見ると55という数字が書かれています。 これはバッテリを痛めることなく5時間の間に連続して取り出すことのできる電流量を表わしています。 つまり1時間当たり11アンペアということになります。 ご飯炊きには25アンペア、お湯を沸かすには38アンペアが必要ですが、本誌今月号で特集のYF23に搭載されている新世代船外機はどちらも20アンペア近くの充電能力を持っています。 炊飯器も湯沸かしポットも保温機能がありますから、目的地に向かい船を走らせているときに湯沸かしと炊飯を行えば目的地に到着すれば、湯気を立てる温かいご飯が待っています。 次に船の上で温かいご飯を食べるためのシステムの説明です。 この写真では湯沸かしポットが写っています。 もちろん炊飯器も同様に接続します。 このテストの結果は右のページに「船の中でご飯を炊くと…」「ついでにお湯も沸かしてみました」という表題で結果がまとめてあります。参考にしてください。 まず写真の説明から始めます。写真の左端に写っているのは充電器です。 現在は17アンペアの出力でバッテリを充電しています(実際にはインバータに充電を全て取られている)。 バッテリは38B19Rという小型車に使われるタイプで、通常船外機艇が搭載しているバッテリの半分の容量しかありません。 テスト後の比重変化を見たかったので、敢えて小型のものを使用しています。 バッテリの手前にある黒い箱はこのシステムの要、インバータです。 ここでDC12VをAC100Vに変換し、一般の家庭用電化製品を使えるようにします。 出力は500W周波数は55Hzです。 インバータの先に電気製品を接続して完了です。 今回テストに使用した炊飯器(右側)湯沸かしポット(左側)どちらもかなり旧式です。 炊飯器は10年以上前に購入したもの、サンヨー製で、3合炊(0.54リットル)AC100V・250W保温機能付き。 現在でも同様の製品が細々と生産されており、学生・独身者に需要があるようです。 価格は4000円〜6000円程度のものが多く、コンピュータ搭載の高級機は電気の質を選ぶので余りお勧めはできません。必要な電力は400W程度のものが多そうです。 湯沸かしポットは余りメーカー数がなく、象印・タイガーなどから容量1リットル程の小型が販売されています。 この商品も、学生・独身者向きらしく3月頃になると出回る季節商品です。 価格は3500円〜5000円程度です。 必要な電力は400〜450W程度の機種が多いようです。 今回の実験では炊飯器は2合のご飯を炊くのに約25分、使用電力は約125WHポットは、16℃の水を沸騰させるのに17分使用電力は130Whでした。 今回のテストで使用したバッテリ2種類とAC-DCインバータです。 バッテリは、大型のものが155G51。 小型のものが38B19です。 右のページの表を参考に読んでください。 今回のテストでご飯を炊きお湯を沸かして消費した電力は、約250Wでした。 大雑把に12Vのバッテリに換算すれば約21Ahです。 バッテリの最初の数字はおよそその容量を表わしていますから、21Ahは小型の38Bの容量の55%・155Gの14%に過ぎません。 しかし科学のバケツのバッテリは図体の割には電力を小出しにします。 極板と電解液の間でイオンの受け渡しに時間がかかるのです。 安全に受け渡しのできる容量が5HR容量で表わされています。 155Gは120Ah、1時間当り24Ahになり、38Bは5.6Ahにしかなりません。 船外機の代用品として充電器が17Ahの電力を補充しています。 17Ah + 5.6Ah=22.6Ah、消費電力は25Ahですから、まだ2.4Ah不足しています。 この不足電力はバッテリが無理をして絞り出しています。 これだけの理由ではありませんが、結果としてバッテリの内部抵抗が増加して端子電圧が低下してます。 155Gは、1時間当り24Ahの出力をもっている上に、相対的に大きな容量を持っているので、充電器の電力補充無しでも炊飯器を動かすことができます。 新世代の船外機は大きな発電用量を持っていますが、その性能を活用するには高性能な電池との組み合わせが不可欠です。 電池については次の機会にまたお知らせしたいと思います。 手前の黒い箱がDC-ACインバータです。 出力は500Wで矩形波を発生するインバータの中では廉価品です。 高価なマイコン制御の電気機器には適合しない可能性もありますが、今回のようなローテク機器にはこれで十分です。 実はこのインバータ3年前に2000年問題に(大停電があると言われた)怯えて非常用に購入したもの。 価格は2万円以下でした。
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