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                          マリンレーダーについて
2006年 8月 7日
ボート月刊誌より
2006年1月、ボート月刊誌掲載分

レーダーという言葉、日常生活では良く耳にする。
TVの天気予報では頻繁に使われているし、航空官制にはなくてはならない機器であることは説明もないだろう。
そしてレーダーという言葉にスピード違反の取り締まりで「ネズミ取り」を思わず連想してまったアナタ。
そんなに毛嫌いは禁物。
レーダーはレーダーでもマリン用の最近のレーダーは操作も見方もひと昔前とは違い、いろんな機能でアナタをサポートしてくれる大変有り難い見張り役。
安全航行するのにはどうしても搭載しておきたい電子機器なのだ。




■レーダーって何だ
急な濃霧、そして余儀無く迎えた日没後の航行。
視界を奪われ怖い思いを経験した方も相当いらっしゃることだろう。
GPSがあれば確かに航行ルート上を走ることはできる。
しかし障害物や他船との接近は間逃れないのである。
そうした視界不良などで航行不能状態や本船との衝突の予感と恐怖を一度でも体験すれば、レーダーの必要性を絶対に感じるもの。

GPSや魚探も有効な情報を得られる機器ではあるが、自船位置の把握、安全な航行を考えれば、もうひとつ、レーダーはどうしても積んでおきた電子機器と言えるのではないだろうか。
レーダーで得られる情報は陸、岸壁、他船、標識など障害物(映らない場合もある)だけではない。
波の状況やスコールの予測、そして鳥山のサーチだってできなくはない。
使いこなせばより頼りになる機器なのだ。

レーダー(RADAR)は、「RAdio Detection And Ranging 」の略から来ている。
電波(Radio)で、探知(Detection)して距離を測る(Ranging)装置で原理は魚探と同じ。
魚探が音波を発信し、その音波が海底や魚群に反射して戻ってくるまでの時間を計測し距離を割り出すのと同じだ。魚探が音波を発振するのに対しレーダーは電波を利用。
回転アンテナで360度、ぐるっと回転させながら電波を発射、 障害物に反射して戻ったものを受信するまでの時間を計測しその障害物までの距離、その時の回転角度で方位を測定して演算して表示している。

空気中を伝わる電波の速度は毎秒30万kmと物凄く速く、また発射間隔もごく短いのでアンテナがかなりの速度で回転しても十分に反射波は拾えるのだ。
アンテナの回転速度はプレジャーボート向け機器の場合、毎秒25回転、あるいは48回転前後である。

アンテナから発射される電波は円錐状に広がりながら直進するが、水平方向はあまり広がり過ぎては正確性に薄れてくるので、その広がりはあまり大きくない。
水平方向には指向性の強い2〜4度程度、垂直方向は20〜25度程度の広がりを持つ。
右のイラストを参照していただければ、垂直方向への広がりの意味をご理解いただけるだろう。
そしてアンテナは高い位置に取付けたほうが、より遠くまで探知できることも併せてご理解いただけるものと思う。
つまり高い所へ昇れば、遠くまで見通せるということだ。

                  



■レーダーはこう選ぶ
高出力のレーダーはより遠方へ電波を発射できるが、出力5kwを超えるとレーダーを操作するのに無線技師の資格が必要になる。
ここでは資格のいらない(ただし無線局としての開局が必要)5kw以下のレーダーを前提に考えていこう。

レーダーは電波を発射する出力の大きさと画面形式、それに機能によってランクが分かれてくる。
出力の高いもの機種ほど基本的には遠方を探知できることにはなる。
しかしアンテナの設置する高さによっては必ずしも遠くまで探知できるかというと、決してそうではないことは前述のとおりだ。

レーダー選びで大切なのは自船のアンテナの設置場所と強度、それに表示器の設置スペースを検討することから始まる。
アンテナは高い場所へ設置するのが原則となるが、ものによっては20kgを超える場合もあるので、設置場所はそれなり強度が必要となる。
次に出力と距離範囲。現在発売中のモデルの出力は2kw、4kw、4.9kwの3種類。
距離範囲はメーカーや機種、アンテナ形状などにより異なるが、概ね2kw機で24nm、4kw機で36nm、4.9kw機で
48nmが平均的だ。
nmはノーティカルマイルのことで海里である。

これらの最大レンジでの探知は「基本的に可能」な目安として考えた方がよく、気象海象の状況によっては映らないケースもある。
従って探知したい距離の6割程度で選ぶのがベターだろう。
また電波の種類によってもレーダーの探知目的が異なるので、選ぶときはその辺りも考慮して専門店と相談すべきだろう。
またレーダーは他の電子機器と比較すると消費電力が多いのも注意しておきたい。

出力の強弱は遠方探知レベルだけではなく、出力が大きいほど分解能も高い。例えば2隻接近している船を探知した際も2kw機であったら1隻しか映しださないが、4.9kw機だと2隻ハッキリ映るというようなケースがよくあるのだ。
できるだけ高出力機を選んだほうが、より精度の高い情報を得られやすいということになるが、設置場所、もちろん予算とも相談してピッタリなレーダーを選びたいものだ。

あとモニターについては最近はカラー液晶も高性能なものが増えてきており、これは好みと予算で選んで差し支えないだろう。
ちなみに漁師は依然としてモノクロブラウン管の高精細画面を好む傾向にあるという、参考までに…。

オープンタイプのアンテナ(左)とレドームタイプのアンテナ。
設置場所の位置と強度がポイントとなる。


FURUNO

MODEL
1715 標準小売価格(税込み)¥346、500   

出力2kW、7インチモノクロ液晶レーダー、フルオート機能で初心者にも簡単な操作性

同調、感度がオートで調整してくれるので、面倒なボタンの操作に手間取ることなく、周囲の状況を画面に表示(もちろん手動での感度調整も可能)。シンプルな操作パネルで、簡単に初心者にもつかうことのできるように配慮されている。
アンテナ回転数はショートレンジで41rpmといった具合に、レンジにあわせて3段階で切り替わり、自船近辺の状況の変化をいち早くキャッチすることができ、衝突回避などの安全航行に役立つ。
レーダーの反応を残像として残し、物標の動きをチェックできるエコートレイル機能を搭載。
一定間隔の時間をおいて電波の送信・停止をくり返してくれるワッチマン機能や、物標が一定距離内に接近したときに警報を鳴らす見張り警報機能を併用すれば、一人でボートでの釣りの場合にも便利だ。

●サイズ:W230×H240×D114mm
●出力:2kW
●電源:12〜24V
●消費電力:38W
●機能:フルオート、オフセンター
映像反転表示、ズームモード、航跡データ画面
エコートレイル、ワッチマン機能


【アンテナ部】
●レドーム型
●サイズ:φ460mm
●ビーム幅:水平5.2°垂直25°
●回転数:24rpm(3〜24nm)/31rpm(1〜2nm)/41rpm(0.125〜0.75nm)
●送信周波数:9410MHz
●重量:4.9kg







■レーダーのスペックはここを見よう
<指示部>
●ディスプレイ/画面対角線のサイズ。LCDは液晶、CRTはブラウン管。
縦型と横型がある。
機種によっては、その画素数(○○ドット×○○ドット)という表現がされていたりする。
●重量/指示機の重量。付属品を含む場合と含まない場合がある。
●距離範囲/最大探知距離は、さまざまな条件、たとえば気象などでも変わってきますから、あくまでもそのレーダーが画面上に表示できる最大の範囲、というふうに考えよう。
機器によっては最小探知距離を示しているものもある。
これは、あまり近いと反射波が返ってくるまでの時間が短すぎたり、反射波が強すぎたりして計測できないというような事情もあるからだ。

<空中線部>
スキャナー形式/オープンタイプかレドームタイプかの違い。
オープンタイプの場合は回転するアンテナの長さが、レドームタイプの場合はその直径や高さが、寸法として記されている。
●送信出力/通常は電波を発射する最大出力が記載されている。
●ビーム幅/電波の指向特性で水平角度、垂直角度がそれぞれ記載されている。
水平指向角度は遠距離探知できる機種ほど小さい。
垂直角度は20〜25度程度。
●アンテナ回転数/1分あたりの回転数。


               下記のカタログは2005年末から2006年1月当時に発売されていた
                機種ですので、現行モデルと変わっている可能性があります。

                     マリンレーダーカタログはコチラをクリック

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