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     ジギングのツボ
            ドラグ調整について
2006年7月20日
ボート月刊誌より
このコラムは2003年9月号のボート月刊誌に掲載されたものです。

最近のジギングでは、PEラインが主流です。
このラインは、ゆっくりと引っ張る力に対して非常に強く、なおかつ細いことが特徴です。
同じ強度でラインの径が細ければ、水の抵抗を受けにくく、早くメタルジグが沈んでいきます。
このラインのほとんどが色付きで、5mもしくは10m単位でラインの色が変わり、今どれぐらいラインを出しているのか瞬時にして分かります。
良いことだらけのこのライン、果たして弱点、注意点はあるのでしょうか?

以前ご紹介しましたラインシステムをくむことが出来るようになったら、リーダーシステムによりメインラインとメタルジグの間に数メートルのナイロンか、フロロカーボンのラインが装着されているはず。
これらは太いのに加え根ズレに対して強く、ライン自体に伸びる特性があるため「瞬発的な衝撃」や「擦れによるダメージ」を和らげてくれる役目を果たしてくれています。
このシステムがあるからこそ、激しいジャークやいきなりの大物が来てもビクともしないジギングが楽しめるのですが、問題はドラグ設定がきちんとなされているかということです。

いくら細くて強いラインでも限界があります。
ライン強度をポンド数で表示して売ってあるので、それを参照して使う号数を変えていけばよいのです。
ちなみに30ポンドといえば約15キログラム、40ポンドといえば約20キログラムの引っ張りに対して切れますよということです。
しかし、15キログラムのものをゆっくりと引っ張ってようやく切れる30ポンドのラインも瞬間的には15キログラム以下の力が掛かればいとも簡単にラインブレイクしてしまいます。
この瞬間的な力を分散する役割を持つものがリーダーであり、今回解説するドラグ設定なのです。
スピニングリールだとスプールの前方にあるつまみを、ベイトリールではハンドルと本体の間に設置されてあるスタードラグもしくは、クラッチ式のレバーを回すことによって、スプールが逆転し始める力を調整することが出来ます。
ドラグ調整とはまさにこのこと。タックルとラインにかかる負荷が自分で設定したドラグテンションに到達した瞬間、リールのスプールが逆転し、ラインが引きずり出されるためラインが切れるのを防ぐことが出来るのです。

それでは、このドラグ調整をしっかりとやっていないとどういうことが起きるのでしょうか。
過去の事例を踏まえてご紹介していきましょう。
(1) ノンストップで走られ、障害物にラインが巻きこまれラインブレイク。
ずいぶん昔の話です。
スズキ狙いのタックルでスズキやヒラメを狙っていました。
ラインは8ポンドなので4キログラムの引っ張りに対して限界を見せるということです。
テンションは1キロ程度に調整。
スズキ相手であれば、これで充分だったのです。
ところがルアーに襲いかかったのは5〜6キロサイズのブリでした。
最初は岸に向かって寄って来たので何ら問題はなく姿を確認することが出来たのですが、目と目があった瞬間に沖に向かって大爆走。
リールのスプールは大逆転、ブリは延々と沖に向かって泳いでいきました。
この爆走をラインを出さずにやりとりすれば、さすがに8ポンドでは一瞬で切られてしまいます。
スズキ用に緩めたあったドラグ設定では、突進のパワーで切られることはありませんが必要以上にラインが出てしまい、ブリに対してプレッシャーをかけるどころの話ではありません。
最後には沖の障害物にラインを巻き込まれ、ブリはラインをぶっちぎって去っていきました。
どうせ、障害物に巻き込まれラインを切られるのだったらロッドとラインの限界まで抵抗して、ブリにプレッシャーをかけ続ければ頭の方向が変わり再び岸に寄せることが出来たかもしれません。
この時は、いきなりのブリの猛攻にただ唖然とし、何の抵抗も出来ずに終わってしまったのでした。
反省点としては、海ではいきなりどんな大物が襲ってくるか分からないので、狙うターゲットにあわせたドラグテンションと言うよりはライン強度を含めたタックルバランスでドラグ調整を行わなければならないということです。
これ以上無理をしたら、どこかが破損するといった限界点一歩手前で設定していれば、ファイト中はドラグ設定を変える必要はありません。
その状態で知恵を使い、ロッド操作やそのほかの対処で魚を寄せる技術を身につけましょう。
最後の手段として、手でスプールを押さえてラインの出を調整することも可能なのですが、何キロでスプールが逆転するのかを数値でなく、感覚でやってしまっていると、これ以上逆転は止められないのかどうかが判断できず、走られ放しか、もしくは止めすぎてラインブレイクのどちらかになってしまいます。
数値で計測できるバネばかりなどで必ずドラグ調整を行って釣りをしたいものです。
この痛い勉強のおかげで、その後何度と無く想像以上の大物が襲ってきてもタックルの限界点で魚にプレッシャーをかけ続け、足下まで無事寄せてこれるようになりました。
海では何時思わぬ大物がやってくるか分かりません。
その時のために普段から適正な数値を設定しておきたいものです。
それでも、止まらなければ・・・残念ながら、魚の勝ちと言うことで。

(2) フルロックにこだわりすぎると危険。
一時期は、PEラインは強いから少々のことでは切れないだろう、根がかりしてもあんなに切るのに苦労するラインなんだから魚ごときのパワーでは切られるわけがない・・・。
ジギングに慣れてきた頃、私にはそんな過信がありました。
そのためロッドさえ頑丈なものであれば、ラインは一ミリも出さずに魚のパワー100%を楽しんでやるなんて考えていたのです。
しばらくすると水深40メートルのポイントで、ボトム着底から1シャクリ目にドスンときたのが10キログラムのブリでした。
水深が浅く、ラインが出ていないため強烈なパワーが私とタックルにのしかかってきました。
ドラグ調整のミスでラインは一ミリも出ない状態です。
ブリが動けば、ロッドと膝のクッションで耐えるのみ。
どうにかコントロールできる程度の大きさだったため、何度かの突っ込みをドラグ以外の部分で耐えて、力を分散し無事キャッチすることに成功しました。
例えば、メインラインが使い古されたラインだったら・・・、新品であっても直前に根がかり等でラインに負担がかかっていたら・・・・きっとどこかでラインブレイクしていたことでしょう。
また、今年の五月連休でキャッチした20キロクラスのナガタチカマスはあらかじめ設定してあったにも関わらず無理矢理スプールを押さえ込まなければ海底に擦れてアウトという状態でした。
ライン限界ギリギリをさらに、無理をさせて海底に突っ込むのを阻止しましたが、仮にこの状態をその後の突っ込みの時にもやってしまったら・・・新品の50ポンド(約25キログラム)も簡単に切れてしまったことでしょう。
それぐらいの引っ張り強度と瞬発的な力がのしかかってきましたから・・・。

それでは、このような状態でラインを切らないようにするためにどうやってドラグ設定を行うか。
そのアタリをまた別の機会に紹介したいと思います。
それまでに、海の上でそんな局面に出会ってしまったら・・・、海底では無理矢理止めて、中層より上では少し走らせてといった方法で対処してみてください。



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