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                           トレーラーボートの基礎知識
     2006年 8月 11日
ボート月刊誌より

トレーラーボーティングの魅力は十分理解できても、その取得手続きが煩わしいのでは、また駐車場の問題や運転に対する不安など、ビギナーにとっては、今一歩踏み込めない要素が多いのも事実だろう。
しかし、規制緩和などによって、かなりユーザーが利用しやすいシステムになってきている。
まず、その基本的な部分を理解しておこう。

■普通免許で牽引できるボートトレーラー
自分が普段乗っている自家用車で牽引できるボートトレーラーの大きさ(重量とサイズ)には限界がある。
普通免許で運転できるトレーラー(被牽引車)は、車両総重量750kg以下(道路交通法)に限られ、それを超えるものは牽引免許が必要になる。
車両総重量とは積載物とトレーラー自重の合計。
つまり、車両重量250kgのトレーラーとするならば、積載できるボートは500kgまでということになる。
それは牽引する自動車側の走行性能や制御能力、トレーラーの構造などによって決められたものだ。
もう少し積載重量制限を引き上げてほしいという意見もあるが、自家用車の多くは、もともとボートトレーラーなどを牽引する前提がないことから「牽引する車両の1/2」という目安を考えるなら、妥当な重量という意見もある。

またトレーラーのサイズは、牽引する自動車とトレーラーを連結した状態で全長12m以内、幅が2.5m幅以内、高さが3.8m以内(搭載したボートを含む)であれば問題ない。
ただし、牽引車両からはみ出すトレーラーの幅は左右それぞれ15cm以内となっている。
トレーラーの法律的な扱いは1台の車両とみなされる。
したがって、検査を受けてナンバープレートの付いたトレーラーでなければ牽引できない。
もちろんボートトレーラーは、ボート以外のものを搭載できない。



■トレーラーの運転
トレーラーの運転に不安を感じる人も少なくない。
最初は誰でもそう感じるが、実際に運転して慣れてくればそれほど難しいことではない。
ただし、自分のクルマの後方にかなり長いものを引いて走行しているということを常に意識しておくことが大切だ。

実際の走行では後進がいちばん大変。
慣れるまで、なかなか思う方向にバックできない。
その運転方法は次号で詳しく説明するが、トレーラーは連結部(ヒッチボール)に押されて動くため、斜めに押されれば当然トレーラーはヒッチボールを支点に方向を変えてしまう。
さらに搭載しているボートにもよるが、後方の視界は悪くなる場合もある。

また前進時でも、狭い交差点を曲がる時など、牽引車とトレーラーの内輪差には十分注意したい。
(図中、Aは牽引車とトレーラーの内輪差、Bは牽引車だけで走行する時に必要な道路幅、Cはトレーラーを牽引している時に必要な道路幅)。
もちろん高速道路を走行することも可能だが、最高速度は80km/hに制限されている。
加えて急ハンドルや急ブレーキはトレーラー牽引時には、大きなトラブルを招きかねない。
トレーラーブルの特性を十分理解したうえで、運転したい。

■トレーラー各部の名称
基本的なボートトレーラーは、突きだしたフレームの最前端に、牽引車と連結するためのカプラーが取り付けられている。
カプラは牽引車のヒッチ・メンバにあるヒッチ・ボール(一般に2インチ径の鋼球)に被せるようにして連結。
また万が一、カプラが外れた場合に機能するセーフティチェーンも備わる。
この連結部はトレーラーの中でも重要な部分だ。
またその後方にある小さなホイールはトンクジャッキ(トレーラ・ジャッキともいう)で、トレーラを牽引車から切り離した時の自立用に使う前輪。
またジャッキになっているので、ヒッチ・ボールとカプラの位置合わせに利用したりする。

バウ・タワー上部には、バウ・ローラと呼ばれるゴム製のローラがあり、ボートのステム部分を当ててボートを固定。
そのためのウィンチが取り付けられている。
そして、トレーラーを止めておくハンドブレーキが付き、その後方が、メインフレームとクロスメンバで構成されるフレームの上に、ボートセンターに乗せるバンクが取付けられている。
テイル部分には、ブレーキランプやサイドランプなどの法定灯火類、ナンバープレートが付く。

ヒッチメンバーの取り付け方法についてはコチラをクリック

■軽トレーラー
ボートトレーラーも、そのサイズや積載重量の違いによって、軽自動車扱いになる。
いわゆる黄色いナンバーの「軽トレーラー」と呼ばれているものだ。
全長3.40m以下、全幅1.48m以下、全高 2.00m以下で、積載重量が350kgまでのボートトレーラーはこの軽トレーラーとなる。
法的にさまざまな恩恵があり、ユーザーにはかなりメリットのあるものだ。

軽自動車で軽トレーラーを組み合わせるとこういった感じになる。
ただし、牽引時の安全性から考えると、長距離を走るのであれば、できるだけ重いクルまで牽引した方がいい。
普通車で、軽トレーラーを引くというのが、一般的。

普通クラスのトレーラブルはこういったスタイルになる。
それでもさまざまな安全性を考慮して判断すると、17フィートクラスのボートが、この普通トレーラーで牽引できるサイズと考えた方がいい。


普通 小型
全長
全幅
全高
積載重量
車検
管轄
12.0m以下
2.5m以下
3.8m以下
無し※
1年(新車2年)
運輸支局
4.70m以下
1.70m以下
2.00m以下
無し※
1年(新車2年)
運輸支局
3.40m以下
1.48m以下
2.00m以下
350kgまで
2年
軽自動車検査協会
※但し、牽引車の制動性能などにより積載物を含んだ車両総重量に制限が掛かる場合がある。
また、積載物を含んだ車両総重量が750kgを超える場合は牽引免許が必要。

たとえば、まずトレーラー自体の価格がかなり割安になるということ。
これだけでもイニシャルコストに大きな違いが出てくる。
もちろん車庫証明も届け出制のため必要なくなる(一部の都市部では必要)ことから、新規登録手数料も必要無い。
また車検が2年になり、保険や重量税など、さまざまな諸経費も軽減される。
当然積載できるボートは最大でも全長3.74mまでと、それなりに限定される。
しかし、そういったさまざまなメリットを考えると、ポータブルボートを軽トレーラーで運ぶという方法は大きな選択肢になりそうだ。
いずれにしても軽トレーラ−は、マイボートをかなり身近にしてくれるひとつの方法であることは間違いない。

■トレーラブルボートの保管について
日本ではトレーラーも自動車と同じく車庫法が適用されるため、ナンバー取得に際し保管場所、いわゆる車庫証明を申請する必要がある(軽登録の場合は人口50万人以上の都市のみ)。
ご存じのとおり所有者の自宅から直線距離で2km以内と定められているので、自宅敷地内に置ける人は別として、そうでない場合は賃貸駐車場を借りることになる。
そこで懸念されるのがイタズラと盗難。

対策法として(100%確実とはいえませんが…)いくつかご紹介しておきたい。
1)まず目立たぬようにすることが大事で、駐車時はブルーシートなどの地味なカバーで船底まで覆ってロープで何重にも縛っておく。
イタズラする側の心理として、割と軽い気持ちで事に及ぶケースが多いので、これで少なくともイタズラされる確率はかなり下がる。

2)カプラーのロックレバーに差し込んで、牽引できなくするタイプのキーロックが発売されている。
これは牽引車に接続した状態でも使用できるので、出先での盗難対策にも有効だ。

3)バイク用などのチェーンロックなどで、通常のサンダーでは切断できない材質の物や、ワイヤーを切断すると警報音が鳴る物など、完成度の高い製品がいくつも発売されている。
近所に空き駐車場が見つからない人や、都心部などで賃貸料が高いという人などにお勧めが、トレーラーごとマリーナなどの保管施設に預けてしまう方法。
法改正により、キャンピングカーやボートトレーラーに関しては、公安委員会から認可を受けた事業者に管理委託、整備委託をした場合には使用の本拠の位置とみなされるようになっている。
前夜に入手した釣果情報などに合わせて、気軽に出航場所を変えることが出来ないのは少し不便だが、リーズナブルな駐艇料で、かつ臨機応変な対応をしてくれる施設も多いので、一度調べてみることをお勧めしたい。

■牽引車の車検証に牽引可能なトレーラーの車両総重量が記載できるようになった、新しい連結検討方法

これまでトレーラーは単独走行するものではないという理由で、検査を受ける際には牽引車と連結した状態で受けなければいけなかった。
トレーラーの車検証には必ず牽引車の「車名」と「型式」が指定され、それ以外の牽引車では牽引できなかったのだ。
これを連結検討というが、その連結検討の新しい方法として、平成16年7月1日より牽引車の車検証に、牽引可能なトレーラーの車両総重量が記載できるようになった。
この改正によって、それまで個々のトレーラーについて牽引車指定しなければいけなかったものが、その牽引車の車検証に記載された車両総重量範囲内であればどんなボートトレーラーでも牽引できるようになった(慣性ブレーキ無しのトレーラーでは750kg以下の範囲内)。

これは、これからボートトレーラーの購入を検討しているユーザーにとって非常に有り難いこと。
その指定された範囲内でトレーラーを選択すればいいのだ。
自分のクルマの車検書を持って陸運局に行き、牽引可能なトレーラーの車両総重量が記載を申請すれば、すぐに記載してもらえる。
これによって、トレーラーの買い替えや友人のトレーラーを牽引することも可能だ。

自分のクルマの車検証に牽引可能なトレーラーの車両総重量範囲が記載してもらえるようになったのは、大きなメリット


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