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2006年 7月 17日
ボート月刊誌より
外転船内機の場合
ボート月刊誌 2003年8月号掲載分

操船の妙とは広い水面で速く走ることや高速で波を乗り切ることではありません。
スローで走る必要性のある港内や係船場などのきわめて狭いところで、どんな気象条件下においても安全確実に船を操ることであるわけです。
そのためには、自分が操縦している船舶の操縦特性をはじめとして、外力による影響がどの程度あるのかを見極めることが大変重要なことといえます。
マリーナなどで見かける光景に、せっかく2軸を有するボートを持ちながらその特性などに無頓着なことから無駄な操作をした挙句に、操船失敗を招いているケースをあいかわらず見かけることから、今号は二軸船における操船について述べていきます。

外転船内機他の場合
いま、静止の状態から右回りで船の向きを反転させる場合を考えてみますと、次の方法があります。
〈1)左エンジンを前進にし、右エンジンを後進にして舵中央にして回す。
〈2〉左エンジンのみを前進にして舵を右に切って回す。
〈3〉右エンジンのみを後進にして舵を左いっぱいにして回す。
(4)左右のエンジンを前進にして右いっぱいに舵を切って回す。
(5)左右のエンジンを前後進交互にしかも同時に使い、前進の時には舵を右に切り、後進の時には左に切る動作を繰り返して回頭する。
一軸船においては(5〉の方法によることか(2)に準じた方法で旋回するしかありません。


さて、ここでどの方法がいちばんスペースを要しないで速やかに回頭できるかといえば(1)から(5)の順です。
(1)の方法では、左エンジンによる旋回するカに加え、右エンジンでは船体の右側を後ろに引きます。
したがって旋回しようとする中心位定はふたつのエンジンの間付近に存在することから船の真ん中付近を軸として旋回します。
ただしこの時、前回のプロペラ効率で説明した後進時の効率は前進時に比ベ60パーセントくらいの力しかありませんから、後進の回転数を(右エンジン)左に比べて50パーセントくらい高めないとなりません。

この時、左のプロペラの横圧力は左に働き右のプロペラの横圧力もまた左に働き、かつ右の伴流は船底を左に流す力を与えますから船尾は左に取られるようになりもっとも回頭しやすい状態を作り出すわけです。

マークルーザーのように共に右回転の二軸船においては、左プロペラの横圧力は右に働き右のプロペラの横圧力は左に働きますから横圧力は相殺されて、右の伴流のみが船尾を左に推す力として働きます。     
(1)において、舵を右に切って同じ事をすると右側の舵板が船尾を左に振ろうとする力を阻害して回りにくくなる傾向があります。
それだけを考えれば上の(2)に近付いて行くことになります。

(2)の方法によるのも比較的小さな旋回半径で回頭することができます。
左のプロベラによって船体の左側部分を前に押すことから船は右に回頭しようとし、かつ左のプロペラで後方に押しだした水が強く舵板を押して船尾を左に偏出させます。

か(1)においてはその回頭軸が船の中心付近にあったものが、船首付近に回頭軸が存在するところから船の長さまたは1.5倍くらいの旋回半径で回頭を完了することができます。

(3)では右エンジンを後進に掛け舵を左いっぱい切ると、船体の右側を後方に引き、横圧力も左にかかり、舵板も船尾を左に押すことになるので船尾は強く左に回りはじめます。
特に旋回の後半においては船尾または船尾より数メートルの位置に回頭軸が存在しますので比較的素早い回頭をすることができますが、船体に旋回惰力が強く働くために、ビギナーにおいては回りすぎたりすることが多く、慎重に操作しなければなりません。

この惰力による回頭を阻止するためにはそのまま前進にかけて、船体右側を前に押せばいいのですが、実際においては回頭惰力と前に押す力の合成力が働くため、前進に入れた直後から船は右の方に横滑りの状態を引き起こしますから周囲の状態を予めよく見ておく事が大切です。

(4)は通常の旋回時に行なう方法で、その旋回半径も船体の長さの1.5倍から2.5倍程度を必要とします。
舵によって船尾を左にキックしていきますが族回の中心は比較的前に置かれます。

(5)は船の長さの2倍程度の水面があれば回頭を終わらせることができますが前後進を繰り返すためと停止の状態におく回数が多いことから風に流されたり時間がかかるという欠点があります。
この方法は、外転二軸船よりもマークルーザーのようにニ軸とも右回りの方が操作しやすくなります。
後進に入れたときに、左右のプロペラとも左に回転することから横圧力に加え、伴流も強く働き船尾が強く左によっていくことから早く回頭を終了することができるわけです。

外転船においては二軸とも後進に入れた時に、左側のプロペラにおいては横圧力が右に加わり、伴流も右に流れるところから、船尾を左に押す(船を右に回す)力は左右で相殺されてしまうために回頭を継続し続ける力が中断して時間がかかります。


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