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2006年 7月 17日
ボート月刊誌より
ニ軸船の操船技術
ボート月刊誌 2003年6月号掲載分


2軸船とは通常の1軸船が船の中央部分にプロペラを装着しているのに対して、エンジンを2機搭載し、左右にプロペラを装備しているものをいいます。
これをうまく操作することにより、1軸船では回り切れないところを小さく回ったり、ひとつのエンジンが故障したとしても航行を継続できるなどの利点は多く、一般に2軸船は操縦しやすいといわれています。
本題に入る前に、まずプロペラなどの力のかかり方を理解しておかなければなりません。

プロペラが回転することによって水を押し出して推進力を得ていることは誰しもが知っていることではありますが、水を掻くときのロスが生ずるために、実際に走る距離は本来のプロペラピッチよりも25パーセントから30パーセント少なくなります。
しかもこれは前進する場合であって、後進時においては前進時の60パーセント程度ですからプロペラピッチに対しては40パーセント程度になってしまいます。
一般のボートでは、船尾は船首とは異なって水をかき分けるような構造になっていませんから、その抵抗も多くさらに効率は悪くなります。

プロペラが回転するとき、水面に近い方にあるプロペラ翼と深い位置にあるプロペラ翼では、深いところにあるプロペラ翼のほうが水圧の関係で水の抵抗が大きく、回転を押さえつけようとする力が働きます。
このとき、下部を押さえつけられたプロペラーは回転方向に転がろうとする力がかかり、1軸右回りの船の場合には船を前に押しながらもその方向(右)に船尾を振ろうとする力が加わります。
この影響は速力が遅いほど大きく現れ、後進時においては伴流も手伝ってことさら大きく現れるのです。
これらの影響の大小は、船体形状、プロペラの直径やピッチによっても変わってきますから、実務においては自分が操縦する船の状態を把握しなければならないわけです。

プロペラで発生した推進力は船体の移動力として作用しますが、その作用点はプロペラの取り付け位置によって異なり、狭いところでの操船時にはこれによって船体がどのような動きをするかを考えなければなりません。
 特に2軸船においては、それぞれの推進力は船体の中央ではなく、それぞれ左舷または右舷寄りでその応力が働きます。

以上の応力を理解したうえで、2軸船の操船に慣れるためのトレーニング方法を述ペてみます。練習にあたっては広い水面でほかの船舶が航行していない水域を選んでください。
 また、練習に当たっては必ず見張り要員として最低1名は同乗させることが必要です。


舵は中央にしておきます。
基本的には風や波がないときにおいて、左右のエンジン回転を同−にしておけば船は直進するはずです。
しかしながら、計器類には必ず誤差がつきものですから、回転計の表示の上で必ずしも表示が一致するとは限りませんから、直進するには自分の船の回転計がどのようなときが左右の均衡が取れた回転なのかを把握しておくことが必要です。
さらに、これは左右のプロペラ特性〈プロペラピッチ〉が同一であることが前提です。

無風下において上の要領で直進ができるようになったならば、横風を受けながら針路が一定になるような練習をします。
針路が右にずれてしまうときには船体の右側を強く押せばよいのですから、様子を見ながら右側のエンジン出力を上げていき、左に針路がずれてしまうときには左の出力を上げていきます。
あるいは、旋回する反対側の出力を下げていくのも方法のひとつです。要は船体が旋回していく側の出力が負けているのですから、そのバランスをとればよいわけです。

針路変更
直進ができるようになったならば、次は旋回の練習です。
前の要領で直進をしておき、右(左)のエンジン回転を少し下げてみますと船体は右に旋回を始めます。
再びもとの回転に戻すと、針路を変えた船体は直進状態で走ります。
当然のことながら左の回転をあげても同じことが言えるわけで、最終的には右回転をする場合には右に比べて左側エンジンの回転が高ければよいわけですが、出力を下げることによって行う場合には、速力が下がり旋回状態に入るまでの時間が短くてすみますし、出力を上げる場合には速力はほとんど変わらずに長い時間を要します
そしてその回転差が大きければ大きいほど旋回径は小さく、回転差が少ないほどその径は大きくなります。
一般には舵によって船が旋回するときには、キック作用によって船尾が振り出されるのですがエンジン回転によって旋回をコントロールする場合には、キックはほとんど生じません。

■片肺航行
エンジンの片方が故障してしまい処置ができない状態の時には、止むを得ず片方のエンジンによって帰港しなければなりません。
例えば右のエンジンが生きている場合、これによって航行を続けると船は左旋回をして目的地に向かうことができなくなります。
このときの舵は右に切るようにし航行します.
片側のエンジンを止め、もう片方のエンジンを最高回転の1/2限度程度の回転にして船を真すぐ走らせる練習をします.
回転数をあげすぎると、負荷がかかりすぎエンジントラブルにつながりやすいので、無理をかけない範囲でゆっくり航行します。
この時船の向く方向(船首方向)は舵を切った方に向き、実際の進路と差が生じます。
この角度の差は、船の長さ、舵の大きさなどによってそれぞれ異なります。
小回り回頭については船内機船と船内外機船で要領が若干異なりますし、プロペラの回転方向によつてその要領が異なります。
2軸船では普通、外転船が多く内転船または同方向回転船は限られたメーカーのものに限られています。


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